裾野タナカ邸 susono tanaka house

 

富士山と小柄沢川からなる家


小柄沢川に下りる西へ向いた1階、富士山を見る北西を向いた2階からなる住宅である。


富士山麓に端を発し愛鷹と箱根の山裾の間を流れる黄瀬川に沿って街が形成されている。画面左の黄瀬川の凸凹した川底は、およそ1万年前の富士山噴火により駿河湾まで到達した三島溶岩流である。 画面右下の裾野タナカ邸はその黄瀬川の河岸段丘にたたずみ富士山を望む。 裾野タナカ邸眼前の川底も三島溶岩流であり、基礎の起点となっている。

崖の高さは4m。1階はそこに正対して挿し込み、2階は富士山に向く。結果、2階のはみ出た部分を玄関の庇や排気口としている。

物流で使う樹脂パレットを転用して河畔へ下りる階段としている。今後庭として河畔は整備していく。川底は溶岩が表出し、水位は低いが流れは早い。そして川風がいつも吹いている。

1階の室内は段床になって川へ下り、途中踊り場ごとに子供スペースがある。川風を感じながらくつろげる空間。構造合板を仕上げとしているので、D.I.Y.や改修がしやすい。子供とともに成長できる空間。

階段は収納になっており、最下部は循環空気の吹き出し口も兼ねている。天井は2階の床梁がそのまま見えている。

寝室1。基礎の立ち上がりが腰壁となっている。

子供スペース1。土圧によって基礎立ち上がりの厚みが変わるので、それが腰壁の段になっている。

子供スペース2。河畔にすぐ出れるデスク。

玄関。蹴上230踏面180の階段で2階へコンパクトにつながる。

階段途中で仕上げが切り替わる。1階はラーチ合板に蜜ロウ、2階は漆喰塗り。

2階は富士山をはっきり眺める明るい空間。壁は漆喰。天井はハイグロス。床はパインフローリング。

富士山は刻々と変化して見飽きない。窓の右上近くのノズルはファンを介して1階階段の吹出口につながっている。室内の暖気や冷気を循環させて空調負荷を減らすシステムが組み込まれている。

前面ガラス張りのキッチン。街のざわめきを見下ろせる。

夏は、上部に溜まる熱を排出

夏の冷房時は、最下部に溜まる冷気を上部に還流

冬は、上部に溜まる熱を最下部に還流

県道越しの外観。キャンチ下から段丘からの見通しが効く

南東からは建築が額縁となって富士山を切り取る

高低差のある室内気候を利用し、冷気や暖気を循環させたり、排熱したりする。 仕組みはローテクで、ダクトファンと2つのダンパーの組合せで3パタンの室内空気の流れをつくって空調に頼らない室内気候をめざす。

共同設計:清正崇建築設計スタジオ

構造設計:なわけんジム

設備設計:ラパン建築設備工房

施工  :宝永技建

撮影  :西原慎悟(ワイジール)

     ※印はタナカ事務所撮影

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